㊵『コスモス』

2025年7月16日
昨日、ちょっとした発見があった。 アロマの香りがついた造花があるらしい。 そんなものが存在するなんて、今まで知らなかった。 花が好きだった小さな頃の私に教えてあげたら、きっと目を輝かせただろう。 大人になった今でも、その気持ちは変わらない。 だからこそ、知った瞬間に胸の奥がふわっと温かくなった。
今度ひとつ買ってみたい。 そう思うだけで、少し未来が明るくなる。 ただ、選ぶとなると迷ってしまう。 アロマ付きの造花は薔薇が多いらしい。 確かに薔薇の香りは華やかで、香りのイメージも強い。 でも、私がずっと好きなのはコスモスだ。
コスモスは香りがほとんどない。 それでも、あの細い茎と優しい花びらを見ると、自然と近寄ってしまう。 子どもの頃、道端に咲いているコスモスを見つけると、つい立ち止まってしまった。 風に揺れる姿が、なんだか自分の心と似ている気がして、そっと見守りたくなる。 今でもその感覚は変わらない。
もしコスモスにアロマがついた商品があったら、迷わず手に取るだろう。 香りのついたコスモスなんて、想像するだけで少し不思議で、少し嬉しい。 薔薇の香りもいいけれど、私の心が動くのはやっぱりコスモスだ。
とはいえ、今はお金がなくて買えない。 でも、「欲しいな」と思えるものがあるのは悪くない。 むしろ、そういう気持ちがあるからこそ、日々の中に小さな楽しみが生まれる。 買えないことよりも、心が動いたことのほうが大事だと思えてくる。
いつか、部屋に香りのついた花を迎える日が来たらいい。 そのとき私は、きっとコスモスのことを思い出しながら、そっと香りを確かめるのだろう。 そんな未来を想像して、今日は少しだけ優しい気持ちで眠れそうだ。


