㊿『わたしのなかの わたし』

わたしのなかの「わたし」
最近、ふとした瞬間に思うことがあります。 もしかして、わたしはトランスジェンダーなのかもしれない、と。 幻聴のせいかもしれないし、ただの気の迷いかもしれない。 でも、男性に惹かれる自分に気づいたとき、心の奥がざわつきました。
わたしの体は女性です。 けれど、書類に「女性」と丸をつけるとき、少しだけ迷う自分がいます。 「もしかして、軽いトランスジェンダーなのかな」 そんなふうに思うこともあります。
弟がひとりいます。 小さい頃から一緒に育ってきて、わたしはどこか「男の子っぽく」育った気がします。 弟のほうが可愛らしい顔をしていて、時々「女の子みたいだな」と思ったこともありました。 そんなことを思い出すと、ますます自分の中の「性別」がわからなくなるのです。
幻聴に笑われることもあります。 「そんなこと、変だよ」と言われているような気がして、胸が苦しくなることもあります。 でも、ふと「体が女性でよかったな」と思う瞬間もあるのです。 それは、きっと、心と体が違うことで苦しんでいる人たちのことを知ったから。 男性の体に生まれて、女性として生きたいと願う人たちの大変さを思うと、 わたしのこの揺れは、まだ小さな波なのかもしれないと感じます。
それでも、心のどこかで「男性に生まれたかった」と思う自分がいます。 その気持ちがどこから来るのか、まだはっきりとはわかりません。 けれど、こうして自分の気持ちを見つめることが、 少しずつでも「わたし」を知る手がかりになるような気がしています。


