⑲『母の弟』

母の弟 2025.7.2

母の実家には、四人兄弟がいます。
その中で一番若いのが、
私たちが「しゅーちゃん」と呼んでいる、母の弟です。

最近、
しゅーちゃんの近況を、
母からぽつりぽつりと聞くことが増えました。
大きな出来事としてではなく、
日常の延長のように、
少し気になる話としてです。

体のことで、
病院に行ったことがあったそうです。
検査では、特に大きな問題は見つからなかったと聞きました。
それでも、
本人が感じている不調や違和感は、
確かにあったのだと思います。
数値や結果だけでは測れない感覚は、
誰にでもあるものだと感じます。

その後も、
様子を見ながら過ごしている、
そんなふうに聞きました。
詳しいことは、
私がすべて知っているわけではありません。
知りすぎない距離で、
話が伝わってきます。

しゅーちゃんは、
今、一人で暮らしています。
一人でいる時間が長い生活の中で、
体のことを考える時間も、
自然と増えるのかもしれません。
それが良いとか悪いとかではなく、
ただ、そういう暮らしなのだと思います。

少し前には、
体の手術を受けたとも聞きました。
決断するまでに、
いろいろ考えた時期があったそうです。
今は、
日々の生活を続けながら、
自分の体と折り合いをつけている、
そんな印象を受けました。

しゅーちゃんの家は農家で、
自然と向き合う仕事をしています。
天候や環境に左右されることも多く、
思い通りにならない日もあるはずです。
それでも、
畑に出て、
手を動かし、
生活を続けている姿を、
私は想像しています。

直接、
何かをしてあげられるわけではありません。
頻繁に連絡を取っているわけでもありません。
でも、
ふとした瞬間に、
元気にしているかな、と
思い浮かべることがあります。

思うだけで、
何かが変わるわけではないかもしれません。
それでも、
思っている時間がある、
ということ自体が、
私にとっては大切です。

心配というほど強い言葉でもなく、
無関心でもない。
その間にある、
静かな気持ち。
今の私は、
その場所に立っている気がします。

これから先、
状況がどう変わるのかは分かりません。
でも今は、
遠くから、
ただ思っている。
それだけでいいと、
思っています。